調査レポート・コラム

1on1の限界 見える化ツールを活かしたマネジメント

1on1(ワンオンワン)でよくある課題

・継続しているが、イマイチ成果が感じられない
・いつのまにか説教部屋のようになってしまった
・話が続かず、上司が一方的に話している
・部下が「また面談か・・・」とむしろモチベーションを落としている

上司と部下の一対一の面接であるワンオンワンを実施している企業でよく聞く感想です。皆さんの職場ではどうでしょうか。

上司の部下に対する印象として、次のような意見もよく聞きます。
・ワンオンワンの時は部下も意見を言うが、チームミーティングでは黙ってしまう
・ワンオンワンではやる気を見せてくれるが、職場に戻るとそれが発揮されない

せっかく貴重な時間を使ってワンオンワンをしているのに、成果が出ないどころか、むしろ部下のモチベーションが下がってしまっているようであれば、本当にもったいない話です。

1on1は業績向上に効果はあるのか?

ワンオンワンは、上司の面談スキルが非常に重要です。面談スキルが高ければ、継続して実施することで、部下の育成やメンタルフォローに効果を発揮します。さらに、個人単位で業務が行われる職場においては、業績や生産性にも一定の効果が期待できます。

しかし、今や多くの仕事がチームで行われます。皆さんの仕事がもしチームワークを必要とするのであれば、ワンオンワンでは業績や生産性への影響は限定的です。その理由はとてもシンプルです。人はチームの雰囲気に強く影響を受けるからです。個別にモチベーションを高めたとしても、チーム全体の風土や雰囲気がネガティブであれば、積極的な行動は抑制されてしまいます。だから、個人のマネジメント以上にチーム自体をマネジメントすることに力を入れる必要があるのです。

たとえば、少々内気なタイプの人でも、積極的な人が多いチームに入ると前向きな行動が多くなったりします。逆に非常に積極的な人でも、ネガティブな人ばかりのチームに入るとだんだん元気をなくしていったりすることはよくあることです。このように人が集まれば、そのチーム固有の雰囲気ができていきます。この雰囲気をより良いものにしていくチームマネジメントが重要なのです。

個人の意欲の総和がチームパフォーマンスにはならない

一人ひとりを動機づけ、やる気を引き出せば、結果的にチーム全体のモチベーションやパフォーマンスが上がると考える人がいますが、残念ながらそうはなりません。

例えば、ワンオンワンによって上司と部下の信頼関係が築かれていくとします。この場合、図1のようなイメージの関係性が作られます。

上司と各部下の信頼関係が強力なことは良いのですが、図の通り、その信頼は部下と上司の1対1の関係であり、上司をハブとして部下の数だけ信頼の数ができることになります。しかし、部下同士の関係性は作れません。これは、「この上司なら信頼できる」「この上司なら本音を打ち明けられる」という状態です。強化されすぎると、依存関係に陥ってしまう恐れもあります。

一方、チームをマネジメントするというのは、図2のようなイメージの関係性を作り上げることです。

上司と部下の一対一ではなく、上司を含めたメンバー全体の関係性を高める、チーム全体の雰囲気をマネジメントするということです。これは、「このチームなら信頼できる」「このチームなら本音を打ち明けられる」という状態です。

チームの業績や生産性を高めるうえでは、「この上司なら」よりも「このチームなら」という状態を作るほうが効果的です。ワンオンワンを強化していると、
「私の前ではいろいろ提案してくれるのだけど、チームミーティングでは黙ってしまう」
「ワンオンワンの直後はモチベーションが上がっているのだけど、職場に戻るとおとなしくなってしまう」

などと感じることがあります。そして結果的に業績や生産性があまり上がらない。これは、個人のマネジメントに偏りすぎていて、チームのマネジメントを怠っているために起きる状況です。あなたの仕事がチーム力を必要としている仕事なのであれば、チームマネジメントが必要です。

チームマネジメントに見える化ツールを活用

ここでいうチームマネジメントとは、チーム状態をより良いものにしていくということです。しかし、チーム状態は、目に見えないもので、つかみどころのないものです。そこで、見える化ツールを使うことで、より効果的なチームマネジメントを行うことができます。

NaviLight(ナビライト)はメンバーの匿名のアンケートによって、自分のチームのパフォーマンス状態とそのパフォーマンスに影響を与える心理要因の状態を見える化することができます。

当社の科学的検証により、9つの心理要因を高めれば、チームパフォーマンスを高めることができることが分かっています。上司やリーダーは、この心理要因を高めるようにマネジメントを行うことで、効果的にチームパフォーマンスを高めることができます。

チームパフォーマンスを高めるには、メンバー全員の参画が必要

上司は非常に大きな影響力を持っていますが、上司だけではチームパフォーマンスを上げられないことも事実です。大事なことは、チーム状態を上司だけが知るのではなく、メンバー全員が把握し、メンバーが「上司の責任ではなく、自分たちの問題だ」と捉え、ともに改善に取り組むことです。

そのため、NaviLightでは診断結果がメンバー全員に同時にメールで届きます。チームマネジメントにおいて、透明性が非常に重要だからです。この診断結果には、9つの心理要因のうち、あなたのチームにとって特に重要な心理要因と向上させるためのヒントが毎回3つ提示されます。

このヒントは、たとえば「誰もが率直に意見が言えるように“あなたは”何ができますか?」といった形で、「あなたは何ができますか?」という形で示されます。これにより、自然とメンバー一人ひとりが自分事としてチームの向上に意識を向けられるようになっています。

上司自身が考えることも大事ですが、部下とともにチーム向上に取り組むことで、より大きな成果が期待できます。このようにチームの状態を把握し、全員で考え、実践し、また状態を把握してメンテナンスしていくことが、成果を上げるチームを実現するためのマネジメントサイクルです。

チームの力をもっと引き出したい方、チームのパフォーマンスを高めたい方、ぜひNaviLightを活用したチームマネジメントを取り入れてみてください。


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