心理的安全性、本当に必要ですか?
- 心理的安全性とは何か
- 心理的安全性に対する誤解
- 心理的安全性の本当の意味
- 心理的安全性が高いのはプロのチームのイメージ
- それは心理的安全性ではありません
- 心理的に安全な場が成立する要件
- 人格攻撃を許さないこと
- 立場を根拠にしないこと
- 心理的に安全な場のメリット
- 心理的安全性を高める目的
- 心理的安全性を高めるメリット
- チームパフォーマンスを向上させる要因
- 心理的に安全な場にしたいですか?
- 心理的安全性の高いチームの作り方
- Point1 心理的安全性の必要性を全員で同意する
- Point2 心理的に安全な場は全員で作る
- Point3 メンバーは発言する責任があると共通認識する
- Point4 意見、提案が必要だとリーダーが訴える
- Point5 チーム規範を作成する
- 会社として心理的安全性を高めるには?
- NaviLightなら測定できます!
心理的安全性とは何か
チームマネジメントや上司部下関係において、心理的安全性の重要性が強調されることが多くなりました。心理的安全性に関する本やセミナーなども多く目にするようになりました。
心理的安全性を提唱したのはハーバードビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授です。ただ、心理的安全性という言葉の認識が一気に広がったのは、2015年にグーグル(米google社)が「生産性の高いチームに共通しているのは心理的安全性の高さだった」と発表したことでしょう。かくして、心理的安全性という言葉はビジネス界や管理職、リーダーに浸透していきました。職場やチームで心理的安全性を確保するにはどうすればいいのかということが重要なテーマの一つになってきています。ビジネス環境の急激な変化、多様性の高まる職場といったことを背景に、心理的に安心、安全で、それでいって活発にチームワークが発揮される職場を多くの人が望んでいることもあるでしょう。
さらに、急速にテレワークが広まっていく中で、オンラインでどうやって参加者の闊達な意見を引き出すかという課題があります。こうした中でも、心理的安全性の重要性が注目されています。
心理的安全性に対する誤解
心理的安全性という言葉は、なんとなく心地いい響きがします。心理的安全性という言葉からイメージされるのは居心地の良さ、優しさ、温かさといったことでしょうか。具体的な行動でイメージすると「言いたいことが言える」「みんなが親身に話を聞いてくれる」「自分の意見に理解を示してくれる」「提案が通る」といったことになるようです。
確かにそんな職場やチームであれば、誰もが幸せを感じられるかもしれません。心理的安全性という心地よい言葉のイメージに加えて、パワハラに対する厳しい見方も相まってか、急速に心理的安全性の認知度が広まっています。
しかし、こうしたイメージは、必ずしも心理的安全性に対する正しい認識とは言えません。むしろ、誤解を大いに含んでいると言えるでしょう。
心理的安全性の本当の意味
心理的安全性についての定義はマネジメントの本によっても様々ですが、エイミー・C・エドモンドソン教授は、「チームが機能するとはどういうことか」という本の中で、次のように述べています。
・心理的安全とは、関連のある考えや感情について人々が気兼ねなく発言できる雰囲気を指す。
・心理的安全は、メンバーが自ずと仲良くなるような居心地のよい状況を意味するものではない。
・自己表現や生産的な討論が歓迎される組織は、人々が率直に発言するという意味でかなり手厳しい場所だ。
これをもとに整理すると、心理的安全性が高い場とは「たとえ相手と考えや意見が違っていたとしても、偽りなく率直な発言ができる場」と定義することもできるでしょう。
さて、このような場(一般的には職場や部署、チームということになると思いますが)は、本当に居心地がいいでしょうか。
チームには様々な人がいます。立場や年齢も違うでしょう。例えばあなたが年長者だとして、年齢が10歳以上下の人に「あなたの提案だとうまくいかないと思います。なぜなら・・・」と言われて、居心地がいいでしょうか?少なからず嫌な気持ちも起きるのではないでしょうか?
一方、逆の立場だったとしてどうでしょうか?10歳以上年上で、キャリアも上の人に対して「それは間違った判断です。私が考えるには・・・」と何の抵抗もなく言うことができるでしょうか?いくら相手がとても寛容な人柄だったとしても、それなりに抵抗感があるのではないでしょうか?
心理的安全性が高く、自分の考えを偽りなく率直に言える場というのは、必ずしも居心地がいいとは限らないのです。
心理的安全性が高いのはプロのチームのイメージ
心理的安全性が高い場のイメージとして、学会の質疑応答の場面を紹介します。学会では研究内容を発表し、それに対して参加者からの質問が次々に投げられます。さすが研究者の集まりだけあって、手厳しい質問や痛いところを突いた指摘などがたくさんあります。それに対して発表者は答えていくのですが、セッションが終了すると発表者と質問者が歩み寄って「いい質問をありがとうございました」とか「すごい研究ですね。私も興奮して結構突っ込んでしまいましたが、とても期待しています。」といったコミュニケーションが交わされることが珍しくありません。質問者は発表者が憎くて厳しい質問をしているわけではないでしょう。
もう一つイメージを紹介します。プロサッカーチームを想像してみてください。試合中に平気で年下が年上を呼び捨てにしていますし、メンバーどうしで「もっとこっちに出せ!」「もっと早く仕掛けろ!」というように、相手に強く要求しているシーンを目にすると思います。「あ、あの人先輩だから、パスをくれないけど気付いてくれるまで待っていよう」なんて思っていたら試合にならないですよね。
心理的安全性が高いというのは、このようにお互いが意見し、要求し合うようなイメージです。上司が部下に発言を促し、やさしく聞いてあげるということではないのです。
それは心理的安全性ではありません
心理的安全性の誤解はすでに解説しましたが、ここでよくある心理的安全性に対する誤ったイメージを具体的に紹介します。以下のようなことは心理的安全性の高さを必ずしも示すものではないということを、もう一度確認しておいてください。
・好きなことが言える(極論、あの人が好きとか嫌いとか)
・わがままにふるまえる
・提案したら取り上げてくれる
・自分らしくいられる
心理的安全性を誤解しないとともに、都合のよい使い方にならないようにも気をつけたいところです。
心理的に安全な場が成立する要件
心理的安全性が高い場とは、「たとえ相手と考えや意見が違っていたとしても、偽りなく率直に発言ができる場」です。反対意見を発する場合は、どんな雰囲気や立場だったとしても、それなりの勇気や思い切りは必要です。それでもあえて、誰もが発言することが重要なのです。では、それができるためにはどのような要件が必要でしょうか。ここまでの説明から、なんとなくつかめたでしょうか?ポイントは次の2つです。
人格攻撃を許さないこと
学会の質疑応答にしても、プロサッカーチームの要求にしても、誰も人格攻撃はしていません。発言や考えの内容について、率直に意見し合わなければならないのです。例えば、「そんな考えだから駄目なんだ」「のんびり育ったから、提案内容もキレがないな」などといった発言は、完全に許されません。心理的安全性が確保されているというのは、人格攻撃にさらされないことが保証されているとも言うことができます。
立場を根拠にしないこと
例えば、部長が言ったから尊重するとか、経験が浅い人が言ったから邪険にするとか、その意見や考えの良し悪しではなく、発言した人の立場や場合によっては発言者自身(影響力があるなど)が根拠になるような議論をしてはいけません。それをしたら、もう言えなくなりますよね。特に日本では、「何を言ったか」よりも、「誰が言ったか」が重視されすぎてしまう傾向があります。心理的安全性が確保されているというのは、立場に限らず発言が認められることが保証されている場と言うこともできます。
この2つを最低限守らなければなりません。そのうえで、メンバーの発言を促すような 工夫が必要になります。いくらメンバーの発言を促す工夫をたくさん取り入れたとしても、人格攻撃があったり、立場を根拠にした意見交換がなされるのであれば、誰も発言しなくなるでしょう。心理的安全性が確保された場とは、人格攻撃を受けないことと、立場によらず発言できることが最低限保証されていると考えてもいいでしょう。
心理的に安全な場のメリット
心理的安全性を高める目的
心理的安全性を高める目的は、居心地がいい職場を作ることではありません。言葉のイメージからそのようなことを想像してしまうことがありますが、これは大きな間違いと言っていいでしょう。なぜ、心理的安全性を高める必要があるのでしょうか?それは、チームパフォーマンスを高めるためです。この目的を外してはなりません。
単に居心地がいい職場を作るだけなのであれば、みんな仲良く、ということで同質的なチーム編成をしてけばいいのです。しかし、心理的安全性は、チームの機能を高めるために必要な要素として提唱されたものです。チームには多様な人材が集まっています。そうした一人ひとりの強みや多様性を活かして、どうやってチームとして成果を上げていくかということにおいて、心理的安全性が重要になります。
心理的安全性を高めるメリット
心理的安全性が高い状態をイメージしたいと思います。
・立場に関わらず、誰もが自分の意見や考えを発言している
・誰かの意見や考えが理解できなければ、立場に関わらず質問したり真意を尋ねたりしている
・まとまっていない提案やアイデアでも、誰かに意見やアドバイスを求めている
こういった状態でしょう。どうでしょうか、こういう職場であれば生産性も上がるように思えませんか?グーグルでも心理的安全性は、生産性の高いチームに共通する要素として公表しています。心理的安全性が高いとチームとしての生産性が向上するというメリットがあるのです。
一人ひとりが自分がチームに貢献しているという自己肯定感が持てるような組織風土であれば、メンバーのパフォーマンス向上も期待できるでしょう。
また、心理的安全性が高ければ、様々な意見や提案により、企画や戦術など、チームとしての取り組みをより良いものに高めていくことができます。つまり、心理的安全性が高いとチームとしての取り組みの質が向上するというメリットもあるのです。
そしてもう一つ重要なことがあります。それは、次のようなチーム内の行動が象徴的です。
・まずい状況ではないか?と思ったら、立場に関わらず「なんか、おかしくないですか?」と声をあげている
実は、これは心理的になかなか高いハードルがあります。いつも通りにやっているつもりの人や自信満々で仕事を進めている上位者に「なんか、おかしくないですか?」が言えるでしょうか?これが誰でもいえる状態であれば、その職場はかなり心理的安全性が高いと考えていいでしょう。心理的安全性の高さのバロメーターと言えます。
事故やトラブルを検証すると、実は誰かは「あぶない」「おかしい」「まずい」などと思っていたのだけれど、誰も言い出さなかったということが少なくありません。つまり、心理的安全性の高さの守りの面での大きなメリットは、事故やトラブルの回避力が高くなるということです。逆に考えれば心理的安全性が低いチームでは、誰もがおかしいと思っていても声をあげられないということになります。非常にリスキーなチームになりますね。
このようなことから考えても、心理的安全性の向上は非常に重要だということが分かります。
チームパフォーマンスを向上させる要因
日本経営では、チームパフォーマンスを向上させる心理要因を9種類特定しています。この中の一つが心理的安全性です。他の8種類は「目標共有」「チーム貢献への自信」「チャレンジ精神」「チームへの愛着」「メンバー信頼」「プロセス重視」「顧客重視」「仕事のやりがい」です。これら9種の心理要因が向上するとチームパフォーマンスが向上するということが検証できています。
心理的安全性さえ上がればチームパフォーマンスが上がるということではなく、これら9種の心理要因をそれぞれ高めていくことが重要です。特に目標共有が進んでいない状況で心理的安全性だけが高まっても、メンバーそれぞれがただ好きなことを言うだけのチームになってしまうでしょう。
心理的安全性がチームのパフォーマンス向上に非常に重要であることは間違いありませんが、他の心理要因の向上にも合わせて取り組みたいところです。
心理的に安全な場にしたいですか?
ここまで心理的安全性の本来の意味、メリットを確認してきましたが、あなたは心理的安全性を高めたいと思いますか?あなたの職場やチームを心理的に安全な場にしたいと思いますか?
「私のチームはわりと仲が良くて、お互いに意見も言いやすい雰囲気があるから心理的安全性が高いと思う。」という人もいるでしょう。しかし、ここまで解説したように、仲の良さや意見の言いやすさは必ずしも心理的安全性の高さを意味しません。むしろ、言いにくいことを言えるか、受け入れ難いことを言われても受け止められるか、ということが心理的安全性のポイントです。場合によっては、「仲がいいからこそ言えない」ということで、結果的に心理的安全性を仲の良さが下げてしまうこともあり得ます。
それでも心理的安全性を高めたいと思うでしょうか。「やはり必要だ」という方は、次のような理由があるからではないでしょうか。
・チームがもっと高いパフォーマンスを発揮するために必要だから
・チームの取り組みの質を上げるために必要だから
・チームが重大なミスを起こさないために必要だから
このような理由があるならば、ぜひ心理的安全性の向上に取り組むべきです。
そして、実はこうした理由が、心理的安全性を高めるために最も重要なことです。
なぜなら、心理的安全性を高めるための最初のステップは、リーダーだけでなく、メンバー全員が心理的安全性の向上が必要であるという認識に同意する必要があるからです。
心理的安全性の高いチームの作り方
チームや組織は常に動いていて変化しますし、それぞれの特性も違うので、心理的安全性を高めるために必ずうまくいく方法というのはありません。メンバー構成やチームに期待されている成果などによっても対応を考えなければなりません。また、研修などを通じて心理的安全性を高める技術を身に付けるということも困難です。しかし、抑えておくべきポイントはあります。ここでは心理的安全性を高めるための5つのポイントを紹介します。
Point1 心理的安全性の必要性を全員で同意する
大事なことは、心理的安全性の正しい認識を全員で同意するということです。職場で「心理的安全性って重要ですよね」という話をすれば、多くの人は居心地のよい職場、雰囲気のよい職場、働きやすい職場などのイメージを持ってしまい、確かにそういう職場になれたらいいと思うものです。
しかし、心理的安全性とは誰もが偽りなく自分の考えを示すことができるということです。それが、チームのパフォーマンス向上のために確かに必要だと、全員が同意することが重要です。この前提に同意できていれば、誰かが「君が言うべきことではない」とでも言いだしたとしても、「心理的安全性が必要だとあなたも同意しましたよね。まずは話を聞いてください。」と言うことができます。目的に同意を取っておくというのは何事においても重要なことです。
Point2 心理的に安全な場は全員で作る
心理的に安全な場は、誰が作るのでしょうか?リーダーでしょうか?確かにリーダーの影響力は大きいので、場をコントロールしていくことは重要です。しかし、リーダーだけで心理的に安全な場を作ることはできないということも重要な事実です。心理的に安全な場は全員で作る、心理的安全性の向上はメンバー全員の責任です。
Point1にあるように、まずは全員で心理的安全性を高める目的と必要性に合意すること。そして、誰もが他者の意見に耳を傾けること、誰もがプレッシャーに打ち勝って自分の意見や考えを表明することが重要です。
心理的安全性の向上という話になると、得てして次のような話が上がります。
・うちの上司は口調が厳しいからなぁ
・ベテランの〇□さんは若手の意見に耳を貸さないからなぁ
どれも問題ですが、「心理的に安全な場は上司が作るもの」「メンバーは心理的に安全な場にしてもらう側」というスタンスこそ、大きな問題になります。
誰もが矢印を自分自身に向けてこそ、本当の意味での心理的安全性が高まります。誰かがどうにかしてくれるではなく、チームの全員が「この職場やチームの心理的安全性を高めるために、私は何ができるか?」と考え実践していくことで、心理的安全性が向上していきます。
Point3 メンバーは発言する責任があると共通認識する
誰かの意見に異論を唱えたり、反対したり、また状況がおかしいと察知した時に声を上げたりすることは、誰でもそれなりにプレッシャーはあるものです。また、意見を受ける側にとっても、それなりにプレッシャーがあるものです。こうしたプレッシャーや抵抗感を完全になくそうとしても無理がありますし、完全になくならなければ意見や提案ができないとなれば、いつまでたっても自由な意見や提案は出ないでしょう。
発言にはある程度のプレッシャーや抵抗感があることを前提として、それでもチームの目標達成のため、より良い取り組みのためには、一人ひとりの意見や提案が必要であり、メンバー全員に発言する責任があるということを共通認識にしましょう。
また、誰もが発言する責任があるとしても、まだまだ勉強不足だと感じたり、経験不足だと感じたり、根本的に自信がなかったりして、発言できないという人もいるかもしれません。そういう場合、「大丈夫、自信を持って」と声をかけてあげることも必要ではありますが、勉強不足であれば勉強すべきと、本人に努力を促すことが重要です。自信がない人の発言をやさしく聞いてあげることが心理的安全性ではありません。
チームの生産性に心理的安全性が重要な役割を果たしていると発表したGoogleは、ハイレベルな人材が集まっています。そういうチームにおいての生産性の向上要因が心理的安全性だったのです。自信がなくてチーム内で発言できないということはないでしょう。心理的安全性が高いというのはプロのチームとすでに解説しました。一人ひとりがレベルアップしていくことが心理的安全の成立に欠かせないことをメンバーで共有しておきましょう。
Point4 意見、提案が必要だとリーダーが訴える
心理的安全性はメンバー全員で高めるものですが、それでもリーダーの影響力が特に大きいことは事実です。リーダーがメンバーに対して、次のような投げかけやスタンスをとることがメンバーの意見や提案の促進につながります。
・たくさんの意見や提案、アイデアがほしいと求めること
・多様な意見があるからこそ、チームを高められると、多様性を歓迎すること
・自分にもわからないことがあるということを認めること
リーダーがメンバーの意見や提案を必要としているということを伝えることが重要なのです。これは、部下やチームのメンバーに「発言しなさい」ということとはニュアンスが違います。リーダー自身が、チーム全体が、一人ひとりの意見を「必要としている」ということを伝えることなのです。なぜなら、パフォーマンスの高いチームを作るために必要だからです。
Point5 チーム規範を作成する
チームの規範やルールを明文化することは、心理的に安全な場を作るうえで非常に有効です。なぜなら、たとえ誰かが脱線してしまったり、ヒートアップして過激な発言をしてしまったり、場合によっては沈黙が続いたりしたとしても、「私たちはこういう規範を作りましたよね」と、確認できるからです。そのため、このチーム規範は全員で作るか、全員で合意していることが重要です。
規範の内容は簡単で構いません。ここまでの解説の内容やPointで紹介した内容なども参考にして考えるとよいでしょう。例えば、次のようなことです。
・私たちのチームは多様な意見や考え方を歓迎する。
・誰かの意見や提案には敬意を払い、誰の発言に対しても熱心に聞き、失礼な態度をとらない。
・誰かの人格を攻撃したり、なじったり、バカにしたりしない。
・おかしいなと思ったら必ず声を上げる。それが勘違いだったとしても決して誰も咎めない。
そんなこと当たり前と思うことでも、文字にして示すことで、メンバーの認識が高まります。ミーティングの前などに確認することで、その場の心理的安全性を高めたり、維持したりすることが期待できます。
会社として心理的安全性を高めるには?
会社として心理的安全性を大切にしたいと考える企業経営者や幹部の方もいるでしょう。ただし、ここまで見てきた通り、心理的安全性とは「場」の状態を示します。そのため、会社の風土や雰囲気というよりも、職場やチーム単位で心理的安全性を高めなければなりません。現実的には、心理的安全性が高いチームもあれば、低いチームもあるということが起きます。
会社として心理的安全性を大切にしたいのであれば、経営者は心理的安全な場を高めるための2つの要件を満たすように発信することが効果的でしょう。すなわち次の二つです。
「当社では、誰であっても人格攻撃をすることは許さない。」
「当社では、立場に関わらず自由に発言するべきで、それを妨げてはならない。」
こうしたメッセージを会社のトップが発信することは大事です。そのうえで、各職場やチームのリーダーに心理的安全性を高めることを求め、従業員にはチームの心理的安全性を育むのは一人ひとりの責任だと伝えるのです。
NaviLightなら測定できます!
ぜひ、皆さんの職場・チームでも心理的安全性の向上に取り組んでみてください。チームパフォーマンス向上に効果的です。
様々なアセスメントやサーベイもありますが、簡単に心理的安全性を計測するのであれば、チームメンバーに以下の質問をするとよいでしょう。
「私のチームでは、たとえ反対意見を述べたとしても耳を傾けてくれる雰囲気があると思うか。」
この質問の回答で心理的安全性をどれくらい感じているかをある程度把握することができます。
また、チームパフォーマンスは心理的安全性だけで高められるものではありません。NaviLightでは、心理的安全性も含めてチームパフォーマンスに影響を与える9つの心理要因の測定とチームパフォーマンス自体の診断が可能です。51問のアンケートで簡単に診断ができるので、ぜひご活用ください。