ウェルビー株式会社 様
NaviLightで120件を超える事業所の状態を把握
障害のある方の就労移行支援などを全国に展開するウェルビー株式会社様では、チーム力の向上とそれによる業績向上、離職の抑制を目指してNaviLightを導入。チーム状態を把握するだけでなく、チーム力向上研修を通じてマネジメント力の向上とNaviLightの効果的な活用に向けて取り組んでいます。各事業所と本部の各部署を合わせて約120チームを対象にした継続的な取り組みを推進されている室崎 仁志様(人材開発部 次長)にお話を聞かせて頂きました。
※所属・役職は2021年8月25日現在
ウェルビー株式会社
「1人でも多くの障害者の方に、成長と活躍の場を創出したい。」という思いを持って障害のある方の就労移行支援事業や児童発達支援・放課後等デイサービスなどの療育事業を全国に展開している。社員が誇りを持って働けることを重視し、育成や労働環境の向上に力を入れて取り組んでいる。(本社:東京都中央区 東証プライム上場)
チーム力を高め、業績向上につなげることを目指して
NaviLightとチームマネジメント向上研修を実施したきっかけは?
室崎様
導入の狙いは、チーム力向上です。当社では各拠点6-7名で運営されていますが、このチームの雰囲気やチームワークが各拠点の業績に影響を与えると考えています。例えば、チームの雰囲気がよければ、見学者が来たときに成約に結び付きやすくなるでしょうし、ご利用者様の継続的な利用にもつながるはずです。また、チームで新しい取り組みや新しいことを生み出すことにもつながると思います。そうしたことが働き甲斐につながって、ひいては離職率を下げていくことにもつながるのではないかという期待を持って導入しました。
NaviLightの導入に合わせてチーム力向上研修(3回)も実施された狙いは?
室崎様
当社では全国に120を超える事業所があります。そうした中でチーム診断という初めてのことを一斉に取り組むことになるので、それを推進していく立場の管理職には一般社員以上にNaviLightの原理や仕組みを理解しておいてもらわなければなりません。そのためには研修が必要だと考えていました。
それとせっかく管理職が一同に集まるのであればNaviLightの活用と併せて、今の時代に即したマネジメントの勘所もおさえてもらいたいと思い、アンケートとセットで管理職を対象に全3回シリーズで研修を実施しました。
管理職たちの事業所支援ツールとして活用
初めての取り組みに室崎様が気を配りながら進められたことがよくわかりましたが、社内の反応はいかがでしたか?
室崎様
本当に初めてなので不安もありましたが、初めてだからこそ各事業所が真剣になってくれて、やりっぱなしにせずにPDCAを回して取り組んでくれました。
当社では複数の事業所をマネジメントするスーパーバイザーやエリアマネージャー等の管理職がいますが、管理職たちの話を聞くと、「事業所の状況とNaviLightの結果がよくリンクしている」「話し合いのきっかけにしやすい」と言っています。そのため、NaviLightの結果があまり良くないと管理職たちがその事業所に行く回数や、コミュニケーションを増やしたり、情報収集をするなどしてくれているようです。
当社では事業所間の異動が多いのですが、異動があるとNaviLightの結果が大きく変化することもあるので、将来的には異動の参考資料にも使えるかもしれませんね。
改めてになりますが、NaviLightというツールの感想はどうですか?
室崎様
良かった点が2点あると思っていまして、一つは各事業所の状況が可視化されることです。当社では現在2ヵ月おきに実施しているのですが社員が自分たちの事業所の状況を把握し、更に良くしていくためにはどうしたらいいかとメンバー同士が主体的に話し合ってくれています。こうした話し合いの場が定期的に設けられたということで、導入した意味がありました。
実際、チームを良くするために話し合うというのは難しいところもありますが、NaviLightの結果の中で、そのチームに合わせた効果的な改善ポイントが提示されるので、話し合いを進めやすい仕様になっているところが良いと思っています。
二つ目の良かった点は、離職率を下げることにつながるのではないかと期待が持てていることです。まだ取り組み始めて半年ほどなので明らかな効果は出ていません。ただ仮説段階ではありますが、現在、退職とアンケートスコアとの相関関係を探っています。退職者が発生している事業所と、発生していない事業所の平均スコアを比較すると、退職者が発生している事業所の方が9つの心理要因が満たされていない結果になっていました。いくつかの項目は特に差があるという傾向も見えています。まだ2回の結果の比較分析なので引き続きアンケート結果からの分析を通じて相関関係を探っていき、課題となる心理要因を改善する打ち手を検討していきたいと考えています。
ありがとうございます。良い点を挙げて頂きましたが、NaviLightの課題などはどうですか?
室崎様
これはどうしようもないことではあるのですが、当社の異動が多いという組織事情に対してNaviLightをどう活用すべきか悩ましいところもあります。本当は同じメンバーで継続してチームを高めていくことに使っていければいいのですが、頻繁に異動などがあると、毎回違うメンバーということもあり得ます。同じメンバーで2回、3回とアンケートに参加できれば、自分たちの現状把握と目標立てがしやすいですが、当社においては現状アンケートが行われる2ヵ月おきに人員の変動があるため、「より高い成果を上げられるチームを作るために取り入れようとするのは難しい」という意見もありました。とはいえ、その時その時のチーム状態は把握できるので、上手な使い方を引き続き考えていければと思います。
チームマネジメント力向上研修については、受講者の反応はいかがでしたか?
室崎様
研修はグループワークの時間が多くあったので、他の事業所との事例共有や考え方の共有ができたことが貴重な機会だったという意見が多くありました。それぞれの管理職が工夫しているマネジメントを共有するとか、事業所での工夫を共有する機会というのはなかなかないので、チームマネジメントというテーマに沿って情報交換できたことはよかったと思います。
その他に参加者のレポートを見ると、研修を受けて自分の今までのマネジメントを振り返る機会になったという感想も多くありました。特に目標に対して目的と意義づけをすること、その意義付けも「外向きの意義付け」がいいこと、部下を承認することなどについて気付きを得ている人が多くいたようです。
建設的なコミュニケーションが増加
最後にNaviLightの実施や研修の実施の効果、またこれからの課題についてお聞かせいただけますか?
室崎様
管理職を中心にNaviLightを理解してもらうということ、そして最近のマネジメントの勘所を抑えてほしいという目的は果たせていると思います。各事業所内で建設的なコミュニケーションが増えたということは効果と言えると思います。あとはどう活かしていけるかということがこれからの課題です。受講者それぞれが取り組んでいると思いますが、その取り組みがきちんとできているかの確認は十分にはできていないので、継続してできるような仕組み作りが我々の課題かと思います。会社として各事業所の支援ができるように、チーム力向上に向けた共通の課題をみつけて、そこに対する打ち手を検討し実施していきたいと考えています。そのためには、もう少しの間、ナビライトアンケートによるサンプルを集めていく必要があると考えています。
建設的なコミュニケーションを誘発するというのは、まさに私たちがNaviLightを作った大きな目的で、それができているというのは大変嬉しく思います。今後も私たちも引き続きサポートさせていた来たいと思います。本日は誠にありがとうございました。
(インタビュー2021年8月24日)